美工の額づくりは、大きな丸太を仕入れることから始まります。木製額に適した木材を買い付けたら、板の状態に加工し約1年かけて乾燥、その後ようやく額縁へと姿を変えていきます。1本の額縁が完成するまでには、とても長い時間と手間がかかっているのです。 職人の粋と技が至るところに活かされた額縁。私たちは1本1本に心を込めて手作りしています。
港に荷上げされた丸太の中から、木製額に適したものを選別し買い付けます。 主に使用するのは、東南アジアやパプアニューギニアなどに分布する南洋サクラ。きめが細かくてフシがなく、まっすぐなのが特徴です。
仕入れた丸太を製材所へ運搬し、指定した厚みに裁断。 「ねじれ」や「そり」を防ぐため、板の状態で約1年かけて自然乾燥します。
乾燥した板を額縁に加工しやすいよう、モルダーという機械で棹(さお)の形状に加工します。
できあがる額の大きさに合わせた長さに棹をカットします。 棹の端は45度の角度にカットし、四隅に糊を塗って張り合わせます。専用の機械を使って高周波の電気を流すことで接着剤を加熱し、四隅をしっかりと接着。
接着剤で固定しただけでは衝撃にもろいため、「ちぎり」と呼ばれる加工で補強します。 まずは、角のつなぎ目に溝となる切れ込みを入れます。
接着剤を付けた三角形のちぎり板を溝に差し込みます。 接着剤が乾燥したら、縁から飛び出した余分をカット。パッと見ただけでは気付きにくいこの細かな工夫が、丈夫で美しい額縁づくりに欠かせない大切な作業です。
フレームの外側と内側にR加工(隅丸加工)をほどこします。 隅丸加工とは、その名のとおり額の四隅を丸く加工することで、ほとんどの和額に使用されている意匠。 ひとくちに丸といってもその形状はさまざまで、仕上がりに合わせて形状の異なる刃を使用します。内側の加工は外側より難易度が高い。
塗装の色むらを防ぐため、表面をサンドペーパーで研磨しざらつきをなくしていきます。額の仕上がりが決まる大切な作業。 表面を磨いたら、下地専用の透明塗料を吹き付けます。表面をなめらかにすると同時に、仕上げ用の塗料を木地が吸い込まないようにする役割もあります。
下地が乾いたら、さらに目の細かいやすりで研磨して細かなゴミなどを除去します。下地の塗料が剥げてしまわないよう、絶妙な力加減が必要。
なめらかになった表面に仕上げ塗装をします。熟練の職人が色の加減を見ながら、ムラがないよう何度も塗料を塗り重ねていきます。
しっかりと丸1日乾燥させます。
パネルとは、作品を額に入れる際の土台になる大切な部分。背景として作品の一部となることもあります。 額のサイズに合わせてベニヤ板をカットし、パネルを作ります。
作品の雰囲気や希望のデザインに合わせて布を選び、独自配合した糊を付けてパネルに貼ります。 額縁のサイズは卓上サイズの小さなものから数メートルの大きなものまでさまざま。簡単そうに見えますが、シワのないよう貼り付けるのには経験と技術が必要です。
フレームに不備がないか細かく検品をしたら、額縁づくりはいよいよクライマックス。フレームの裏に吊り金具とトンボを取り付けます。フレームにアクリル板とパネルをセットしたら完成です!
完成した額縁のサイズに合わせてダンボール箱も手作り。ダンボールで丁寧に梱包したら、お客さまの元へ向けて出荷します。